こんにちは、あのにますです。
現在ハースに所属するミック・シューマッハの立場が危うくなっています。
2021年にハースでF1デビューし、今年2年目のシーズンを送るシューマッハ。
昨年はチームメイトが同期のニキータ・マゼピンだったこと、マゼピンに対し予選・決勝で常にリードしていたことから、チーム内外からの評価も高く、立場も安泰な状況でした。
しかし、今年発生したロシア問題に伴いマゼピンが解雇され、チームメイトが2017年から2020年までハースのドライバーだったケビン・マグヌッセンに変わると状況が一変。
マグヌッセンは開幕戦からいきなり入賞、チームに29戦ぶりのポイントをもたらすなど大活躍で、一気に成績で差をつけられる格好に。
更に、マグヌッセンの活躍ぶりに焦ったのかサウジアラビアGP・モナコGPでマシンを大破させるクラッシュを連発。
開発予算に制限がかかる今年において、連続クラッシュは開発に悪影響を与えてしまい、チーム代表のギュンター・シュタイナーからもクラッシュに苦言を呈される等、チームからの風当たりが強くなっていきました。
シーズンが中盤に差し掛かると、クラッシュも激減、自身初のポイントを獲得するなどパフォーマンスに改善傾向が見られますが、チームからの信頼を得るには至っておらず、来季のシート確保が危うい状態となっています。
そこで今回は、ミック・シューマッハのデビューからこれまでの成績とあらためて振り返り、他の有力ドライバー達と比較し、シューマッハのパフォーマンスは見劣りするものなのか、について見ていきます。
デビューからこれまでのシューマッハ成績
2021年
所属チーム:ハース(コンストラクターズランキング10位・0ポイント)
予選最高位:14位
決勝最高位:12位
2022年(第13戦ベルギーGP終了時点)
所属チーム:ハース(コンストラクターズランキング7位・34ポイント)
予選最高位:6位
決勝最高位:6位
以上がシューマッハの成績になります。
2021年のハースは2022年の新規則対応のため、開発リソースを翌年用マシンに集中、結果2021年中の開発が行われたことで最下位争いの常連となっていましたが、その甲斐あってか2022年は大幅にパフォーマンスが向上、コンスタントに入賞争いが出来るまでに復調したことで、シューマッハの成績も向上しています。
では、ここからはドライバー比較に入ります。
なお、比較人選にあたっては「2年目までに上位チームでドライブしていない」点を考慮しています。
初年度からWC争いをしたハミルトン、デビュー2年目にトップチームに昇格したフェルスタッペン・ルクレール等は環境に差がありすぎるため除外としています。
では、参ります。
1人目:ケビン・マグヌッセン
2014年
所属チーム:マクラーレン(コンストラクターズランキング5位・181ポイント)
予選最高位:4位
決勝最高位:2位
2016年
所属チーム:ルノー(コンストラクターズランキング9位・8ポイント)
予選最高位:12位
決勝最高位:7位
1人目はシューマッハの現在のチームメイト、ケビン・マグヌッセンです。
マグヌッセンは2014年、マクラーレンからデビュー。
デビュー戦でいきなり2位表彰台に上がる最高のスタートを切るものの、チーム体制の変更に伴い翌年はリザーブドライバーに降格。
その後、1年の浪人を経てルノーからF1復帰しています。
シューマッハの成績と比較して、1年目こそ成績で圧倒していますが、2年目の成績に関してはむしろシューマッハの方が上回っていることがわかります。
ルノーが大不振に陥っていたことも考慮すべきですが、この数値を見る限り、シューマッハがマグヌッセンに対し劣っているとは言えないでしょう。
2人目:カルロス・サインツ
2015年
所属チーム:トロ・ロッソ(コンストラクターズランキング7位・67ポイント)
予選最高位:5位
決勝最高位:7位
2016年
所属チーム:トロ・ロッソ(コンストラクターズランキング7位・63ポイント)
予選最高位:6位
決勝最高位:6位
2人目は現在フェラーリに所属するカルロス・サインツです。
サインツは2015年、トロ・ロッソ(現アルファタウリ)からデビュー。
2016年も引き続きトロ・ロッソに所属しますが、同年チームメイトだったマックス・フェルスタッペンがレッドブル昇格を決めたことで、2018年以降はレッドブル傘下から外れ、ルノー→マクラーレン→フェラーリとチームを移籍し今に至ります。
シューマッハの成績と比較して、2年目の成績が非常に似通っているのがわかります。
今年のハースと2016年のトロ・ロッソのチームランキングも同じなので、最高位だけを見るとシューマッハはサインツと同じレベルの成績は残せていると言えます。
3人目:セバスチャン・ベッテル
2007年
所属チーム:ザウバー(コンストラクターズランキング2位・101ポイント)→トロ・ロッソ(コンストラクターズランキング7位・8ポイント)
予選最高位:7位(ザウバー)
決勝最高位:4位(トロ・ロッソ)
2008年
所属チーム:トロ・ロッソ(コンストラクターズランキング6位・39ポイント)
予選最高位:1位
決勝最高位:1位
3人目は、2010年から4年連続WCに輝いたセバスチャン・ベッテルです。
ベッテルは2007年アメリカGPからF1デビュー。
前戦カナダGPで大クラッシュ、ドクターストップがかかったロバート・クビサの代役としてのデビューでしたが、予選7位・決勝8位と新人離れしたパフォーマンスを披露し周囲を驚かせます。
その後ハンガリーGPよりトロ・ロッソに移籍。
2008年にはF1初優勝を達成し、2009年からレッドブルへ。
その後の活躍はご承知の通りです。
ちなみに、2008年はイタリアGPのポール・トゥ・ウィンがあったため成績が上がっていますが、イタリアGPを除くと、予選・決勝の最高成績は以下のようになります。
予選最高位:6位
決勝最高位:4位
シューマッハの成績と比較して、サインツの時と同じく2年目の成績は(イタリアGPを除けば)似通う部分があるのがわかります。
2008年のトロ・ロッソの成績も今年のハースと近いことから、シューマッハの成績はベッテルに引けを取っていないことがわかるでしょう。
まとめ
今回は、ミック・シューマッハのパフォーマンスについて、3人のドライバーの成績との比較という形で検証をしてみました。
その結果、現在活躍しているドライバー達と比べ、シューマッハのパフォーマンスは決して劣ってはいないことが証明できたのではないかと思っています。
FDA終了が報道されたことで、ハースとの契約延長が厳しいとの論調も出始めていますが、昨年から成長している姿は見せられているので、何とか来年もシューマッハがF1に残れることを期待しつつ、今回の記事を締めさせていただきます。
それでは。