こんにちは。あのにますです。
本日、ダニエル・リカルドとマクラーレンの契約が2022年末をもって終了することが発表されました。
記事内にもある通り、リカルドとマクラーレンは2023年末までの複数年契約を結んでいましたが、1年短縮しての早期契約終了となりました。
リカルドの契約終了について、数ヶ月前からニュースになっていましたが、ついに正式発表となった形です。
今回は、そんなリカルドについて語ってみたいと思います。
リカルドの来歴について少し触れます。
2011年-HRT F1チームからF1デビュー(第9戦イギリスGPより)
2012年-スクーデリア・トロ・ロッソに移籍
2014年-レッドブル・レーシングに移籍(同年3勝。同チームで通算7勝)
2019年-ルノーF1に移籍
2021年-マクラーレンに移籍(同年1勝)
通算勝利数8は歴代37位タイ(2022年第13戦ハンガリーGP終了時点)と、結果を残しているドライバーです。
私がリカルドを意識し始めたのは2014年からです。
2014年は大幅なレギュレーション変更に伴い、2013年までと勢力図が大幅に塗り替えられ、メルセデス一強時代の始まりとなった年です。
2014年のメルセデスの強さは圧巻の一言で、2人のドライバーで全19戦の内16勝を記録しています。
しかし、そんなメルセデス一強のシーズンにおいて、唯一メルセデス以外で勝利したのがリカルドでした。
当時から全戦TV観戦をしていた私は「とんでもないドライバーが現れた!」と興奮したのを覚えています。
リカルドは2014年にレッドブルに移籍したばかり。
しかもチームメイトは2010年から4年連続でワールドチャンピオンに輝いているセバスチャン・ベッテル。
2014年の開幕前、リカルドは完全にベッテルのNo.2と考えられていました。
しかし、ベッテルは2014年のマシンを乗りこなすことが出来ず、その間にリカルドが台頭します。
第7戦のカナダGPで初優勝すると、ハンガリーGP-ベルギーGPでも連勝し、この年3勝。
ドライバーズランキングでもメルセデス勢に次ぐ3位となり、未来のチャンピオン誕生を強く意識させました。
私も当時「リカルドはそう遠くない未来にチャンピオンを獲るだろう」と考えていました。
しかし、現実はそうなりませんでした。
悲しいことに、2014年以降のF1はメルセデスが圧倒的な強さを見せ続け、2021年まで他チームがチャンピオンを獲得することはなかったのです。
レッドブルもメルセデス陣営の合間を縫って毎年いくつか勝利することはあるものの、チャンピオン争いに加わることは出来ませんでした。
リカルドがレッドブルでブレイクした期間がメルセデス一強時代と被ってしまったことで、リカルドのチャンピオンの夢は叶わなかったのです。
更に、2016年に加入したマックス・フェルスタッペンの存在もリカルドに大きな影響を及ぼしました。
2014年末でベッテルがチームを去ったため、2015年からはリカルドがNo.1としてチームを引っ張っていましたが、2016年の第5戦スペインGPからフェルスタッペンがレッドブルに移籍し、移籍初戦でいきなりF1初優勝を成し遂げたのです。
2016年、フェルスタッペンの勝利はこの1勝のみでしたが、この結果、レッドブル陣営はフェルスタッペンを将来のエースとするチーム作りに動いていくことになります。
その結果、リカルドは2017年以降、徐々に成績が落ち込み始め、ランキングでもフェルスタッペンの後塵を拝すようになります。
そして2018年、リカルドは7つの勝利を置き土産にレッドブルを離脱、ルノーF1に移籍することを決断するのです。
当時のルノーは優勝を争うチームではなかったため、この移籍で事実上、リカルドのチャンピオン獲得の夢は消えました。
その後、2020年をもってルノーF1から離脱し、2021年からマクラーレンに移籍。
ルノーと同じくチャンピオン争いが出来るチームではなかったものの、ルノーより戦闘力のあるマシンを獲得した結果、第12戦イタリアGPでは3年ぶりとなる優勝を果たしました。
しかし、マクラーレン移籍後はチームメイトであるランド・ノリスに遅れを取り続けており、2021年は1勝こそ記録したもののランキングでは敗れ、2022年に至っては前半戦終了時点で57ポイント差をつけられる等、チームメイトの後塵を拝していることは明らかでした。
そして、今回の早期契約終了に繋がっていくのです。
リカルドは現役ドライバーの中でも指折りの実力と人気を兼ね備えていますが、今後のF1人生は決して明るくない印象です。
今年のパフォーマンスで評価が下がったことに加え、トップチームはドライバーと複数年契約を結んでおり空きシートはなく、獲得できる可能性があるシートは中堅以下のチームのみ。
その中堅以下のチームも、自前の育成ドライバーを抱えていることから、リカルドを積極的に起用するメリットが薄いのが現状です。
最も可能性があるのは、ベテランドライバーと育成ドライバーに逃げられたアルピーヌ(旧:ルノー)への出戻りですが、2021年のマクラーレン移籍時、ルノーとの契約を破棄して移籍したことから、上層部から良い顔をされていないという報道もあり、どちらにせよ前途多難であることは間違いありません。
まだ33歳、老け込むには早すぎる年齢ではありますが、近年のドライバー若年化の影響は避けられず、シート確保が出来ない可能性も十分考えられます。
個人的にはまだ走る姿を見ていたいドライバーではありますが、もし来年のシートが獲得出来なかった場合、2022年がリカルドの最後のシーズンになるかもしれません。
”もし、2015年にレッドブルが勝てる車を作れていたら…”
”もし、フェルスタッペンが2016年にブレイクしていなければ…”
タラレバではありますが、リカルドがチャンピオンを取れた世界線もあったのかもしれません。
そうなれば、毎戦のようにシューイが見られたのかも…(笑)